萩焼祭りまで2週間を切りましたので、JIBITAもそろそろ本格的に準備に入らなければ!
という事で、昨日は作品を依頼しておりました伴裕子さんの工房へ萩焼祭り第1便の作品を引き取りに行って来ました♪
どんな仕上がりになっているか、いや正直に言うとちゃんと焼けているか一抹の不安を感じながら(伴さんへの不安ではなく、初トライの作品は全て共通して不安を感じるものなのです…)工房へ伺うと、悲しい予想は的中し瑠璃釉と青銅マットに安定感が無く伴さんも若干元気がありません。
瑠璃釉は流れやすいようで窯の棚板に釉がべったりとくっつく物があり、しかしこれは少数しかトライしていなかった為、最小限の被害で済んでいたのですが、青銅マットもクレーターの様な釉のブクがかなり出てしまっていて、困惑された様子…。
一方で大体の原因は伴さんも予想がつく御様子で、通常なら小さい窯で焼き進めるものをこの度はJIBITAからの発注量が異常に多い事から、大きい窯で一気に焼いた事により窯内の温度差が起因して不安定な取れ高となったそうです。
とにもかくにも残り2週間も無い状態で細かいテストを繰り返す時間も無いという事で、一定以上の歩留まりをキープできそうな釉での制作をお願いし、昨日は家路につきました。
さて、作家の如何にかかわらず依頼品の仕上がりが予定通りにいかない事がこの数年本当に多くなってきたと感じますが、その原因を鑑みるとやはり焼物は自然相手である事が一番の理由かと思うのです。
土も釉薬も火も空気も、すべて自然で構成されています。
またその構成は一見全て同じに見えていたとしても、ごくほんのわずかな差で大きく様相を変えてしまうのが陶芸。
私は陶芸家ではありませんがそんな陶芸家の苦悩をずっと見ていると、どうにかその難解な生き物(陶芸)を支配しようとする心と、そう簡単にはいかない現実との狭間を実は陶芸家自身が楽しみや喜びを感じているようにさえ思う事があります。
実際にはそんな楽観的な事は言ってられないのでしょうが、でも私の知る陶芸家の多くがその難解な挑戦を簡単には諦めず、くじけそうな気持ちさえ私達には語らずにひたむきに作り続けています。
伴さんには今年の2月に萩焼祭り用としてかなりの無茶ぶりをしてしまったのですが、昨日の訪窯時に感じた不安はありつつも、釉質、フォルムバランス等はさすがのセンスといった感じで次回の窯出しにはかなりの期待が持てそうだと感じています。
萩焼祭りではそんな伴さんの真剣勝負を私ノブチカとこーすけ(妻のあだ名)がしっかりお伝えして参りますので、ぜひお楽しみに!
■萩焼祭り
会期 2019年5月1日~5日 9時~17時30分
会場 萩市民体育館
駐車場 会場周辺(無料)
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