本日は渋谷英一氏の新作が入荷したのでお知らせ致します。 渋谷氏は幼少期より萩焼職人だった祖父から伝統的萩焼を習い、25歳から本格的に祖父に師事しています。 そこから萩焼の伝統表現とも言える粉引や枇杷、白萩や鬼萩といった技法を習得しつつも、伝統に固執しない自身のスタイルを構築し、2011年長三賞記念大賞受賞を皮切りに多くの公募展で独自のスタイルを評価されてきました。 そして本日の作品はこれまで発表された「相」シリーズの最新版で、これまでの色調と質感をに比べ土の素材感が伝わりやすい表現に変えられています。 ちなみに質感を高めた代償としては、アウトラインに走る微細な凹凸の出現によるキレの低下が予想されますが、実物を観るとまるでそんな事は意に介す事もないほどキレは増し、作域にもこれまで以上の奥行きも感じとれるほどです。 ちなみに以前まで陶芸作品には「正面」という捉え方がありましたが、氏は「どこからみても美しい」ものを作る事を心掛けておられ、その難解さをクリアする事自体が以前にも増して作品にキレを感じさせる要因かと観ています。
常にものづくりや自身のあり方をを問い続ける渋谷氏だからこそ、今後の作品にも益々期待してしまいます。
渋谷英一 略歴
1979年生まれ
2010年 萩市美術展 入選(以後連続入選・美術協会賞受賞)
2011年 第30回長三賞記念大賞受賞
九州山口陶磁展 入選(2013年入選)
山口県美術展展覧会 佳作賞(12年優秀賞、16年佳作賞)
2012年 田部美術館大賞「茶の湯の造形展」 入選
西日本陶芸美術展 琉球新報社賞受賞
2013年 田部美術館大賞「茶の湯の造形展」 入選(2017年入選)
萩の陶芸家たち展 優秀賞受賞
菊地ビエンナーレ 入選
第60回日本伝統工芸展 入選
2014年 現在形の陶芸萩大賞展Ⅲ 入選
陶美展 入選
2015年 日本陶芸展 入選
2016年 現在形の陶芸萩大賞展Ⅳ 大賞受賞
2018年 第5回陶美展 最高賞(日本陶芸美術協会賞)受賞 山口県芸術文化振興奨励賞受賞 第65回日本伝統工芸展入選
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