top of page
執筆者の写真Nobuchika Kumagai

【時澤真美 orest リングレスト 】レビュー

こんにちは、のぶちかです!

さて遂に明日からJIBITAでの初個展がスタートする時澤真美さんの作品を、今回もレビューしていきます♪

時澤真美 略歴

1978 京都府生まれ 1997 京都市立銅駝美術工芸高校 卒業 2004 愛知教育大学造形文化コースガラス専攻 卒業 2006 富山ガラス造形研究所造形科 卒業 2006 富山ガラス造形研究所 助手勤務(~2009) 2009 富山ガラス工房 所属(~2013)

2005 現代ガラス大賞展(富山)入選 2006 美の祭典越中アートフェスタ2006 佳作(富山) 2007 Young Glass 2007(デンマーク)入選 2008 日本クラフト展(東京)奨励賞 2009 日本クラフト展(東京)入選    KOGANEZAKI・器のかたち・現代ガラス展 入選    工芸都市高岡クラフトコンペティション 入選

作品レビュー

作品名①

orest リングレスト(水色)

スペック

サイズ 59×59×89㎜ 重量 205g 価格 4,000円税別(2019年7月11日現在)

制作手順

①予め水色の付いたガラスを熱いうちにある程度形作り、棒状のクリアなガラスを熱いうちにジョイント。

②1日かけて冷ます。

③冷めたら全体を縦に削り、表面に面を出す。

④本体を500度以上に温めなおし、1,260℃の窯に入れ全面にファイヤーポリッシュをかけて透明度を上げ、底部裏面のポンテ跡を消す為にしっかり磨いて完成。

作品名②

orest リングレスト(赤ピンク)

スペック

サイズ 53×75×59㎜ 重量 212g 価格 4,000円税別(2019年7月11日現在)

制作手順

①予め赤ピンク色の付いたガラスを熱いうちにある程度形作り、棒状のクリアなガラスを熱いうちにジョイント。

②1日かけて冷ます。

③冷めたら全体を縦に削り、表面に面を出す。

④本体を500度以上に温めなおし、1,260℃の窯に入れ全面にファイヤーポリッシュをかけて透明度を上げ、底部裏面のポンテ跡を消す為にしっかり磨いて完成。

作品名③

orest リングレスト(ピンク)

スペック

サイズ 46×46×86㎜ 重量 187g 価格 4,000円税別(2019年7月11日現在)

制作手順

①予め赤ピンク色の付いたガラスを熱いうちにある程度形作り、棒状のクリアなガラスを熱いうちにジョイント。

②1日かけて冷ます。

③冷めたら全体を縦に削り、表面に面を出す。

④本体を500度以上に温めなおし、1,260℃の窯に入れ全面にファイヤーポリッシュをかけて透明度を上げ、底部裏面のポンテ跡を消す為にしっかり磨いて完成。

使用感

「表情」

・宝石の様な美しさもあるかと思えば、ゼリーの様に美味しそうに見えるものもあり、観ていて楽しい。 ・表面への粗削りがベースになっている事で、その凹凸に入り込む光と影がよい表情を豊かにしている。 ・置く場所の台や壁の色、そして部屋の光のトーンによっても表情が変わりやすく、その変化が楽しみのひとつ。

「サイズ感」

掌にスッポリとはまり込む小さくて場所を取らない可愛いサイズ。

「使用感」

表面を粗削り後にファイヤーポリッシュする事で表面にわずかな凹凸ができ、それにより滑らかさが増したボディがリングを掛ける際に付きやすい傷を防いでいる。 また、長く使う事で入っていくだろう小傷も目立ちにくく、安心して使用できる。 その為、ガラス製だからという理由で神経質に気を使いながら使用する必要はない事も魅力のひとつ。

用途

◆◎「リングレスト」

◆◎「オブジェ」

◆△~〇「ペーパーウェイト」:軽量の為、雑誌を開いた状態に保つ為の重しや、風の強い所での使用は向きませんが、小さいリーフレットやチラシの重しには使えます。

その他の作品にも言えるのですが、時澤さんの作品はとにかく手間がかかるものが多い上に、価格がリーズナブルなので頭が下がります。

そして極めて仕事が丁寧。

実は前日、同じくガラス作家の川辺雅規氏がJIBITAに来られた際に時澤さんの作品を御覧になられてひと言、

「この仕事でこの値段は安過ぎる。倍付いててもおかしくない。」

と仰っておられました。

ガラスなので吹きっぱなしなら楽に終えられるところを、「削り」を工程に入れる事により「冷まし」や「再加熱」にも時間がかかり、「削り」や「磨き」自体にも大変な手間がかかります。

高い価格ならそこまでの手間もかけがいがあるでしょうが、時澤さんは価格の安さに関係なく細部にまで神経を研ぎ澄ませ、手を抜くことなくしっかりと仕上げてこられます。

「ファイヤーポリッシュ」ひとつ取ってもそうです。

「ファイヤーポリッシュ」は窯の熱で溶かす(磨く)作業なので、機械で磨くイメージと比べると簡単に感じそうですが、「どこまで溶かすか?」という点においては「溶ければ良い」という問題から離れ、「見た目」、「質感」、「触感」にこだわった視点で溶かし具合を調節しなければならず、溶け過ぎた時点で失敗となる事から決して楽ではなく、とても神経をすり減らします。

各工程にその様な心血を注ぎ、なおかつリーズナブルな時澤さんの作品。

観ていてなんだか信じられない気持ちになってきます。

このガラス界における奇跡をぜひ多くの方に御共感頂きたいです!

「時澤真美 ガラス展」

会期 2019年7月13日~21日 11:00~18:00(会期中は休まず営業します) 会場 JIBITA 作家在廊日 7月13日、14日 ☆オンライン販売も同時にスタートしますので、個展にお越し頂けない方はそちらもお楽しみに♪

閲覧数:59回0件のコメント

最新記事

すべて表示

Comments


bottom of page