古屋郁の銅版画とやきもの

「黒ねこのもぐとそのまわりのいろんなものたちを、コレクションするように銅版画にしています。生き物はもちろん、無機物であっても、生きているように描きたいと思っています。
銅版画は銅の板に凹みを作り、そこにインクを詰めプレスして、紙にうつし取る技法です。そのため線に立体感があり、紙にエンボス(銅板の跡)が付きます。絵柄だけでなく、紙の表情も見ていただけたら嬉しいです。」

文:古屋郁

「もぐのなつやすみ」

 

「ペロペロ」

「うしろから見たところ」

「ねむりもぐ」

「おしり」

「びっくりもぐ」

 

 

出会いは去年、古屋さんがJIBITAにお客様として来られた事でした。

会話の中から古屋さんが銅版画家である事を聞き、その場で作品の写真を拝見してから一瞬で気に入り、作品を扱わせて頂く事となりました。

作風は銅版画で人気の迫力ある雰囲気のものとは対極に、全てが優しい印象に包まれており、それがJIBITAの雰囲気にもとても似合うところが気に入った点でもあります。

特に好きなのは「生き物はもちろん、無機物であっても、生きているように描きたい」というコンセプトの下に描かれた無機物や静物たち。

「マイカー」

 

「Pigmalius」

 

「ヤカン」

 

写実とは異なる少しデフォルメされた「線」。しかしそれでいてどこかリアルで、作品によってはその「線」だからこそ写実以上に「生きている」様にも感じられる。

これこそが古屋さんの作品の魅力なのだろうと。

 

ちなみにこの度の個展では銅版画だけでなく、やきものも制作・展示販売します。

 

というのは、ある機会の中から古屋さんが萩焼で猫の置き物を作られた時に、その描写力と制作力に驚いたから。

初めての萩焼でここまでできるなら、陶芸の立体作品でどこまでできるか見てみたい!

そんな思いから古屋さんにやきもの作品もお願いすると、すんなりオーケー。飼い猫「もぐ」を中心に「フクロウ」、「ヒコウキ」、そして面白いところで「リーゼント」他、多数の焼物による置き物も展示します。

 

銅板画家の観察眼から生命を宿した土たちの楽しい作品を、銅版画と共にぜひお楽しみ下さい。

 

★略歴

1991年生まれ

山口県長門市在住 武蔵野美術大学 版画専攻卒業・同大学院修了

2017年第9回渋谷芸術祭 天野タケル賞受賞

 

会期 2018年8月8日(水)~15日(水)9:00~18:00

休廊日 10日(金)

作家在廊日 11日(土)、14日(火)